きぼうの森クリニック

児童精神科

児童精神科について

 人間の発達には個人差があります。

 人それぞれ、感覚の感じ方、物事の捉え方があり、表現の仕方があります。その個性が平均的なものであれば、大きな苦労はなく人間関係を作ることができるでしょう。
 しかし、個性が強すぎたり、発達に凸凹があると、人との関わりに困難が生じることがあります。
 また、一生懸命に周囲に合わせようとすることで、一見すると問題がないように見えても、本来の自分が押しつぶされているために、こころやからだの不調に表れることがあります。

 そんな時には、子どもの視点に立ち返って、子どもがどうして困っているのか思いを巡らせます。
 子どもの特性を理解し、個性やペースを尊重することで、ずいぶんと子どもは生き生きとしてくるものです。

 保護者や周囲が困っていると感じる時、実は子どもが一番困っています。どうしたらいいか分からなくなっています。
 
 子どものことを理解するお手伝いをし、親や関係者とのつながりを作る橋渡し役となります。

~~ 安心感・安全感と人格形成 ~~

 赤ちゃんにとって、生まれてくる時というのは、ものすごく変化が大きくて、人生の中でも最も大きな一大イベントです。

 人間は生まれてきた時はあまりに無力で、自分一人では何もできません。安心して眠りたい、お腹が空いた、おむつを替えて欲しいといった生理的欲求に対して、誰かにお世話をしてもらう必要があります。

 そればかりでなく、生命を感じるものに、やさしく触れられていたい・触れていたいという欲求も持っています(「生との接触欲求」「やさしさ欲求」) 。
 養育者から、「やさしさ」を与えられることを繰り返すことで、人間的な発達が発動します。発達とともに、「やさしさ」を求める欲求の形は変化します。大人にたくさん関わって欲しい、かまって欲しいという形に代わり、相互の関わり合いが増えます(「成人参加欲求」「関与欲求」) 。言葉を覚えていくと、たくさんお話を聞いて欲しい、自分の気持ちを伝えたい、分かって欲しいという表現になります(「聞き手欲求」 )。

 安定して配慮があり、子どもに対してリスペクトのある大人に受け入れられる経験を重ねると、人との関係に安心感をもち、自信をもって、同年代の子どもと関われるようになります。
 仲間が欲しい、みんなから認められたいと思うようになります(「仲間欲求」「受容欲求」 )。
 一方で、仲間外れにされることはとてつもない恐怖になります。誰とでも仲良くしていた子も、なかなか仲間づくりができなかった子も、親友と呼べるような親密な相手ができたらとても幸運です。
 この時、 真の意味で自己中心的な考え方から抜け出し、心から相手の立場を尊重し、自分と同じくらいに相手のことを大事にしたいという気持ちが生まれます(「親友(親密)欲求」)。 「やさしさ」を求める表現が苦手な子どもや、「やさしさ」になかなか気づけない子どももいます。

 子どもに何か、こころの不調、からだの不調が表れたとき、「やさしさ」を確認したくなっているのかもしれません。

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